8月23日(金)コミュニケーションの感度とは?として
美女観照プロジェクト、第4回目のイベント
「美を観照すること」の第2回実験を行いました。
今回の記事は実験の結果のご報告を中心にお伝えします。

過去の実験やプロジェクト内容についての記事はこちらからご覧ください↓
http://n-t-n.jp/

【美女というアイコン】
この記事を読んで頂いている皆さんにとっての美女とはどんなイメージでしょう?
正に!!という「アイコン」(ここではシンボル的存在という意味で使いたいと思います)が
すぐに思いつかれる方もいらっしゃれば
なんとなくのイメージを思いつかれる方もいらっしゃると思います。

私にとっての 正に!の「アイコン」は
原節子さんです。
harasetsuko.png

出典元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Setsuko_Hara_smiling.jpg

 

私が紹介する必要もないほどの大女優さんですが、
ご存じない方はどうぞ原節子さんのお名前で色々と検索して見られてください。

小学生の時に初めて小津監督の映画を見て一目ぼれして以来、
美女好きを公言する私の、美女「アイコン」はずっと変わらず原節子さんでした。

美女観照のプロジェクトでは、
メンバー1人1人がそれぞれのアイコンを追いかけると同時に、
楽しみながら、今まで自分の中になかったような美の直観を実感して、
「美女」の『観照』についての考え方を見つけて行きたいという思いで進めています。

私自身にとっては、回数を重ねるごとに自分の「アイコン」である
原節子さんを超える存在に出会えるのか、
自分のアイコン自体に変化が生まれるのか
という個人的な楽しみを含んだ試みでもあります。

【表情が違っても美女は観照できるのか】
第2回である今回の実験は、「表情の違い」において美女観照が可能かどうかという点を考えていきました。実験に至るまでの経緯はこちらをご覧ください。
今回は観照対象に、第1回の実験で1番人気だった、
2012年のミスユニバース優勝者を選びました。
missusa.png

取り上げた表情は以下の通りです。
左から「無表情」、「微笑み」、「笑顔」と、更に動きのある動画から「驚き」の表情をPickupしました。
muhyoujyou.png hohoemi.png egao.png odoroki.png
無表情    微笑み   笑顔   驚き
出典元:https://www.youtube.com/watch?v=gCW07b2OdbI

第1回の時と同じように、「直観」「造形(バランス)」「親しみ」「エロス」「タナトス」の5項目について直観的に5段階の数値で判断して頂きました。

今回はイベント中には集計結果を示さず、実験を体感して頂いた上でカフェ形式でのディスカッションをしました。

 

【表情別に数値化する】
まずは、イベントでお見せ出来なかった集計結果を公開します!
今回は参加者とプロジェクトメンバーを合計して、計12名のかたに参加いただき、集計をとりました。ちなみに男性10名・女性2名です。 結果は下の通りでした。
kekka.png

 

今回の結果を見て、まず前回との大きな違いに気が付きました。
前回は今回の「無表情」の形のように、
5角形の上部(直観・造形・タナトス)の要素に点数が集中していたのですが
今回は右下部(造形・親しみ・エロス)の要素に点数が集中し、
特に「エロス」「親しみ」の2つの要素については、「無表情」以外の「表情がある」状態について顕著に点数が伸びているのが解ります。

そもそも、私が今回は表情という切り口で実験を行ったのは、
社会学的に「表情」が、人種・文化を超えた共通の認識であるということと、
見て、判断する相手が居て成り立つ記号だといえるのではないか と考えてのことでした。

そこから「美女には美女を美女たらせる表情がある」のか、
はたまた「表情自体が美女を造る」のか、どちらかの仮説を実験によって掘り下げる事が出来ればと考えていました。

今回の結果では総合的な面積の数値で
「無表情」が204、「微笑み」が206とほとんど差が見られず
「笑顔」が175、「驚き」が164で大差がないものの
数値だけで見る限り、4つの表情から
「動きの少ない=静」と「動きの多い=動」の2つのグループが出来ました。

 

【多様な言葉が交わされたディスカッション】
ところで、当日はこの結果を参加者みなさんにお見せせず
実験を体感して頂いた上で、カフェ形式でのディスカッションをしました。

以下にディスカッションで話し合われた内容と、
それを受けて私が前もって仮説の掘り下げについて考えたことを改めて記します。

●「ミスユニバース」とか「女優」といったようなContextを抜きにした。
High-Contextな状態で実験をすると結果に差が出るのではないか。
⇒事前情報が「観照」にどのような作用を与えるのか?という点で、事前に情報を知ってしまうと「観照:主観をまじえないで物事を冷静に観察して、意味を明らかにすること」が難しくなるとは言えると思うのですが、前回、今回共に実験前に情報をお話ししたのは、実験素材に選んだ理由を説明する上で必要があってしたことでした。次回以降は実験後にその理由を明かすようにするなどの対応を考えています。

●同じNTNのプロジェクトで長田さんが行われている「読みやすさの科学」(詳細はこちらからどうぞ!)
に併せて、第1回の実験で使用した能面から、美女の基礎要素を形式化してみたり、
女性の顔のStyle Sheetを作ってみたりしては?
⇒美女の要素を抽出したり、実験のデータをビジュアライズすることは、今後ぜひ取り組みたいことの1つです!
女性の顔のスタイルシートといえば、モーフィングという技術でつくられた
「各国女性の平均顔」といったものも、最近話題になりました。
(http://i.imgur.com/lO9OV.jpg)
基礎的な要素を抽出して、3Dプリンターで再現するなども、是非してみたいと考えています。

●美女という概念そのものがNTNやamuでも考えている「集合知」なのでは?
⇒美女という概念そのものが「集合知」という考え方は、この方のご指摘で初めて気がつき、とても刺激を受けました。
このため、今後このブログでも「集合知」の実践を始めたいと思います。
詳しくは、この記事の最後に記載しています.

●美女=女性 だけではなく、女装した男性の美女 という要素も実験に含んでは?
⇒この方の発言を受けて、「美女」という概念自体の境目はあいまいなのでは?
という議論までつながりました。比較する意味でも、とてもおもしろい対象ですし、
この問題は最初のかたがおっしゃった「コンテクストの有無」の問題にも重なってきます。

美女観照=対象の美を直接的に感じ取ること=直観美の試みですので是非取り入れて行きたい題材だと考えています。

 

【美女を美女にする表情がある】
最後に、参加者の方々とのディスカッションを踏まえて
私が考えた、新たな仮説をご紹介します。

今回だけで結論付けるのは極端で無謀なので、言い切ることは避けますが、
実験の結果を数値の部分のみで判断すると、
●総合的な点数で「静」と「動」に差がついたことと、
●「直観」「造形」の要素は「静」の点が高く、
●「エロス」「親しみ」の要素は「動」の点が高く
なりました。

そこから、先に記載した仮説について
「美女を美女たらせる表情」は存在し、その構成成分は、表情によって大きく異なるということ
一方で、「動」の方についての総合点が少なかったことから、
「表情が美女を造る」と言うことは難しいと言えるのではないかと考えます。

ただ、ディスカッションでは実験結果をお見せしなかったこともあり
多くの参加者が実験に対して情報と「観照」という部分の難しさを感じられるということを実感しました。
たとえば「コンテクスト抜きでの実験」「美女という領域を疑うこと」といった新たな課題も生まれてきました。
是非、引き続きみなさんと一緒に取り組んで行きたいと思っています。

そこで、今までのこのBlogがどうしても実験の告知と結果報告に留まってしまっていたので、
次回以降は私の個人的な「アイコン」を追う話も定期的にUpして行きたいと思います。

また、今回のディスカッションで発案された「集合知」という意見に刺激を受け、
その実践についても案を練っています。
その最初のステップとして、特に実験に参加して頂いた方やNTNのプロジェクトに参加して頂いた方で、(もちろんまだ参加したことがなくても、これから参加したいと思って頂ける方でも!)ご自身の美女観照、美女アイコンのお話をして頂ける方がいらっしゃいましたら積極的に紹介させて頂きたいと考えています。
是非bijyo.amu@gmail.comまでご連絡下さい!

ご参加・ご意見お待ちしております!
どうぞよろしくお願いいたします!!