<前回からの振り返り>
更新が途絶えてしまっており失礼致しました。
道場も6回目、今回が最終回になります。

読者の皆さまにも、道場の生徒として参加いただいたHさん、Aさんにも
少なからず美女観照を楽しんでいただけておりましたら幸いです。

<美女観照最終回トークゲスト:けいとさん>
最終回の今回は、友人のけいとさんをゲストにお迎えします。
けいとさんは普段はアメリカの病院で、フィジカルセラピストとして勤務されています。
身体機能に何らかの損傷をもった患者さんに対し、
可能な限りの回復推進、痛みの緩和と、
日常生活への順応をサポートをする、お仕事をされています。

人の生死と身体の極限に対峙することが日常のけいとさんにとって、

「美女観照」がその日常に、どのように作用するのか、またはしないのか、

かなり距離感があることを前提に、お話いただきました。
そうすることによって、「美女鑑賞」を俯瞰して考えられると思ったからです。

<フィジカルセラピストという仕事>
師範  今日はありがとうございます。よろしくお願いします。
けいと こちらこそよろしくお願いします。
師範  早速ですが、まずちょっと改めての確認で
      普段のお仕事はどのような内容になるのでしょうか。
       私の認識では、病気・交通事故などによる障害を受け、
      身体の動きに何らかのディスアドバンテージをお持ちの方に対して、
      それを元の状態に近づけることと、
     その方の状態に合わせて日常生活への順応をトレーニングされるお仕事だと
     思っていますが合っていますか?

けいと はい。ほとんど合っています。
    補足させていただくと、事故や病気が元で
    身体が動かしにくくなってしまった方のセラピーはもちろん
    うまれつき、身体にディスアドバンテージのある方や
    身体の動かし方がわからない、または偏ってしまって
    うまく動かすこと事の出来ない疾患の方も患者さんです。

    そして、動きをスムーズにすることで、患者さんの感じる
     痛みを減らせるようにするのも、セラピストとしての仕事です。
    いわゆる『リハビリ』がイメージしていただきやすいかと思います。

師範  なるほど、リハビリというと、まさに私の親もその一人なのですが
    脳卒中の患者さんや、交通事故の被害にあわれた方、
    スポーツ選手などが通うイメージが強かったんですが
     さまざま様々な年齢、疾患の方が対象で、回復期の処置だけではなくて、
    痛みの軽減などの緩和ケア目的もあるんですね。

けいと はい。実際に私が今担当しているのは
    下が7歳から、上は97歳の患者さんで
    症状も脳疾患、糖尿、交通事故の後遺症、ダウン症など、さまざまです。

師範  そうなんですね。勉強になります。
    そうすると、ただ、回復を励ますだけではなく
    患者さんが対面している困難に付き添うことも多かったりされますか?

けいと はい。我ながら身体的にも精神的にもハードだなと思います。笑
    身体的なハードさはわかりやすくて、特にアメリカでは
    体重が100kg以上ある患者さんも沢山でいらっしゃって。
    自分の倍以上の重さの人を持ち上げたりするのはざらなので
    身体にきますね~。笑

    精神的には大変さが2種類あって、
    常に患者さんをenergize出来る(励し、力づける)状態でないといけないことと
    患者さんやご家族にかけられる言葉が見つからない時があることですね。

師範  なるほど、自分が元気じゃない時でも人を励ますんですもんね。
    正直それどころじゃない!ってなる時もありますよね。
    2番目は具体的にはどういうこと事でしょう。

けいと はい、回復しても身寄りがなくて誰も待ってないから
    リハビリなんてしても意味ない、というお話を聞いてそれでも励ましたり、
    交通事故で自分以外の家族が亡くなってしまった子供に
    神様って居るのかなって聞かれて言葉につまったり。
師範  なるほど、それは大変です。

けいと どう励まして良いのかわからなくなる時は、やはり多くて。
     セラピストの同僚の中にはそういう所は割り切って
     淡々とセラビーのみに従事できる人もいるんですが私はそれが苦手で。

     私の場合は、自分も自分の親の介護を経験しているので
     ご家族の辛さという部分ではある程度共有出来る部分もあるんですが
     全ての症状の患者さんの状況を共有するのは不可能ですからね・・

<線の細い感じの方には一切魅力を感じない>     
師範   そんな日常を送られている けいとさんに
     今回は美女観照道場のトークゲストという立場に立っていただくわけですが
     今までの道場の内容は読んでいただいたこと、ありますでしょうか?
けいと  えっと、実は最初のころ、道場になる前までは読んでいたんですが
     道場編については、今回お話を頂いたあとにじっくり読ませていただきました。
     すいません。笑

師範   いえ、とんでもないです。お読みいただいて思われる所ってありました?
けいと  うん、そうですね、単純に理系脳だからか、
     前半の何か標準化の基準があるのかないのか、という点
     面白いって思っていたんです。
     後半は読んで面白かったんですが、観念的な感じが難しく感じました。

師範   なるほど、実は前半は後半のための布石でして。
     道場で前半に可視化した疑問や可能性について
     「美女観照」道場なりの道筋を表現したかったんですが
     思いっきり出来てなかったって事ですね。笑
けいと  いやいや、そいうわけでは。
     さらには、まだ今日があります。笑
師範   そうですね。さすが、励まされた。笑
けいと  仕事がらなもので。笑
     冗談はさておき、こと、自分にとっての「美女」については
     実は、自分の周りに白人・黒人・黄色人種って、
     あ、そういえばなんで黄人って言わないんですかね。
     話そらしてすいません。笑
     えっと、人種があまりにも入り混じっている環境にいます。で
     それこそ、色々な国の血が混ざっている人もたくさんい居る中で
     どういう人に美女と感じるかというと、結構難しいなと思いました。

師範   前回のピロえさんとの対談を読んでいただいて考えてみていただいた?
けいと  はい、ピロエさんとのトーク、楽しく読ませていただきました。
     わたしが美女だと思うのって、お2人ともまた違っていて。
師範   けいとさんはどなたを観照いただいたんですか?
けいと  お2人のトークに出ていらした方は全員観照してみました。
     私は線の細い感じの方には一切魅力を感じなかったです。
     トークに出てた方だと、ヘプバーン、小雪さん、ななおさん、天海祐希さん、
     あとどなたがいたっけ。。あ、檀れいさんとか、みんな
     キレイな人ね、って思いますがそれだけで。
     師範イチオシのクリスティも線が細すぎで。笑
師範   なるほど!
     では、実際ご自身でじっくり観照されてみて、感じられることはありましたか?

<美しいは、健康のバロメーター>
けいと  実は、ものすごい面白いなと思ったことがあって。
師匠   それは、ものすごく聞きたいですね。笑
けいと  はい。普段私は色々な社会生活を送っている人と触れ合うことが多くて
     自分では比較的広い視野で患者さんと対面できていると思ってたんです。
     この国では私はマイノリティで、体も小さめで、
     言語も母国語ではない状況で仕事しているので、
     自分の視点というものを、自分の考えという意思である程度
     中立的、公平にコントロールできている、と思っていたのに
     実際お二人と同じ対象を観照してみて気づいたのは、
     意外なほどに周りの環境に影響をうけ、私の無意識がでているなと思って。
     そして無意識に影響を受けたうえで、好みにも影響してるんだと思いました。

師範   なるほど。
     特にこの人を観照して、というよりは、
     一人ひとりを観照してみて、見えてきました?
けいと  そうですね。
     おふたりのトークにでてらした方々を複数して見てみて、ふと
     「あ、私ってこういう好みに変わってたんだ。」と思ったのが
     つまり、線の細い人に対する意識のなさですね。。
     患者さんと毎日過ごしていると、健康的な方に魅力を感じるらからかと。
師範   普段無意識なところを認識できた感じですかね?
けいと  はい。自分のいる環境が自分に与える影響って大きいんだと思いました。
師範   嬉しいです。
     ただ「なんとなく」好きとか嫌いとか感じることの理由、
     自分の無意識に気づくことは、自分の思考の癖、偏りに気付けることかなと。
     偏りに気付いて自分で自省できることが魅力かなと思っています。
     そしてせっかくやるなら美しい対象で楽しみたい、という
     ほんと、勢いではじめさせてもらったのが「美女観照」なんです。

けいと  たぶん既に、さんざん「美女鑑賞」されて、なんで仏像とかでなく、そもそも
     なにが美女なのとか聞かれたと思うんですが、美女って面白いですもんね。
師範   あ、共感いただけますか!
けいと  はい。実際色々な人生の局面に立ち会ってきて思うのかもしれないですが
     個人的に、美しいものは人をなごませてくれるなと思っています。
     人が作った人工物でも、自然な造形物でも
     人それぞれ美しいと思うものはちがうと思うんですが
     美しいと感じる対象があるのは健康のバロメータになるな、なんて思います。

<自分の無意識の美しさの基準に気づく>
師範   誰かを見てみて、美女だなって思ってふと目で追ってしまうようなことって
     男性でも女性でもある経験だと思うのですが
     あれって、すごく無意識的な反応だと思っていて。
けいと  そんなのいちいち言葉にされると周りも驚きますよ。笑
師範   ですよね、ただ無意識で脳というか体というかが「美しい」って即座に反応するようなことって
     日常の中で意外とたくさんはないかなと思っていて。
けいと  確かに!私は木とか花とか好きでよく気づきますけど
     隣にいる旦那さんは私が言わないと気づかなかったりよくあります。
師範   はい。想像できます。笑
     この点も美女を対象にしたかった理由の一つでもあります。

けいと  「美女観照」っていわれて、やってみるか~って思った時と違って
     実際に自分でやってみることってすごく大事だなと思いました。
師範   そうでしたか?ありがとうございます。
けいと  はい。Blogを拝見していて、頭で理解した気になっていたんですが
     自分の無意識に切り込むことって面白かったです。
     あと美女という存在に対しての偏見をもっていることに自省できました。

<美しい人が美しいこと、美しい人を美しいと感じること>
師範   偏見ありましたか。
けいと  はい。きれいに出来る ということ自体が
     努力ももちろんあるけど、運に左右されることって多いと思っていて。
     それを至上的に扱うことに反感がありまして。
師範   う~ん、メディアの影響ですかね??
けいと  かもしれません。   
     美女コンテストとか、そんなことにお金使うならもっと他に回せるでしょ
     と思ってしまうし。
師範   おお!そうでしたか!
けいと  はい、その気持ちに変化はないんですけど
     それは別に美女のせいでもなんでもなく、それによって
     お金を作れるということを知って狙っている人の問題であって
     美しい人が美しいこと、美しい人を美しいと感じることには善も悪もないなって自省しました。

師範   確かに美女至上的な使用の状況は全面的に賛成ではないですが
     人に雇用を生んでいるという面は完全に悪というわけでもないかとも思います。
けいと  そうですよね。でもこうやって美女について論じられるってあまり機会もなかったし
     とても楽しくたのしくすることができました。
師範   あ~よかったです!
けいと  はい、あと意外と自分のことを考える時間が無くなっていたことも自省しました。

師範   なるほど~
けいと  「美女観照」、なるべく若い女の子にやってもらいたいな~って思っちゃいました。
師範   そうでしたか!嬉しい感想をありがとうざいます。
けいと  こちらこそ、楽しい体験をありがとうございました!
     周りの友人にもすすめてみます!
師範   おお~嬉しい~よろしくお願いいたします。
     ありがとうございました。
   
いかがでしたか? 
命に対面する仕事を日常としている方からみると、線の細い人には魅力を感じない、健康的な人が美しく見える。
他方、一般的には、線の細いスレンダーなほうが美しく見えるとされる。
このギャップはなんでしょう?
たぶん、そこに「美の深淵」があるのかもしれません。

本物の病いに苦しむとき、健康美は美しい。日常の喧噪とストレスの中で生きるときは、
華奢な線の細さのほうがエロスを感じるのかも。
はたまた、今は少し小太りのほうが、美人という人も増えて来たようにも思います。

私たちの視点は、日々変化し、自分の状態を確認しながら、美を求めて
漂流しているのではないでしょうか。
その自由な漂流感覚が大事なのかもしれません。

美女を観るという作業が、皆さまにとって、何か発見のある実践になればと思い
長々とゆるく掲載を続けて参りました。
最終回として、どのように終わろうか、考えたのですが
美女観照Blog自体は終わっても、「美女観照」という行為自体は
日常に残っていってほしいと思います。

ここまでお読みいただいてありがとうございました!